劇場紙風船 おふろ場


SWITCHonExcite劇場紙風船に書いた記事の、おまけページです
観たもののリストや各種思いつき、特集記事などは大福帳に載せています

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2006-12-23-Sat-23:24

クリスマスカード/2006年の劇場紙風船 その1

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私はスポーツやアスリートに対して、好き/嫌いというほどの強い感情は持っていません。たまに実況の奇声など、スポーツ周辺の言葉に萎えたりすることはあります。

でもそれより、わりとはっきり嫌悪感を覚えるものが二つあります。どちらも演劇周辺のことで、まず一つ目は、観に行った数の多さでその人の目や耳を判断できるとする、尊大な態度です。

数多く長年観ている人の言葉は貴重だと思います。が、いっこうに舞台の話をせずに数/年数自慢を出す人は、舞台を通してどんな他者に邂逅したかなど実はどうでもよくて、お金を出して(パトロンの爪の垢ほど)業界の存続に貢献したことを褒めれば、気が済むのでしょうか。
「たくさん観ている人が面白いって言うんだから面白いだろう」式の曇天ジャッジも雑でしょう。どんな見方で何を面白がり、それをどう伝えているかということは、まるで検討されていないからです。

オバケのQ太郎は並外れた大食いで、パンツのゴムやぞうり、かんづめが缶ごと入ったやみじるを「こんなうまいものはじめてだよ」と食べていました。
たくさん食べることと味覚の鋭さがいつも比例していたら、小学生にもわかるこのギャグ、成立しないですね。今さら「例外もないとはいえない」ってのはなしにしてほしいです。

これと同じぐらい嫌悪感を覚えるのは、自分の観ている舞台が、己の知性や文化的水準を保証してくれるという思い込みです。

自分の思想や存在をアピールするために都合のよい作品を、決まった見方で観る人たちの言葉に出会うと、仕方ないので私はネタとして考えてきました。
私は特定の演劇だけに拘って観るとか、先物買いに特化するやり方を否定するつもりはないです。それでしかわからないことは必ずあります。また、売れるとそっけない反応をする後者のしょうがない面はさておき、自分の好みを人に説くパッションと先物買いの才能は、すごい芸を観ている気になります。

しかしその態度こそ演劇が好きで好きでたまらない唯一の証しであり、一歩でも外から眺めてみようとするものを、演劇への関心・熱意が劣っているなどと、観て書くだけの人間が決めつけるのは不毛なことだと思います。

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自分のことを書くと、たとえばプロレス・格闘技・スポーツの試合は、どれも「日常ならざる他人の身体を観る」という意味で私にとっては大事です。そのくせ舞台、映画に比べて観る回数が少なく、機会を均等に割り振っていないところに矛盾も現れています。
ただ、少なくとも現場や放送でプロレスやスポーツを観る機会に恵まれた時に、自分の仕事とは関係ないなどと決め込む図太さはないです。つまりその程度には、関心を持ち続けています。

そんな理由と、演劇より多くの人が観ている身体は何かと考えて、SWITCHonExciteだけで計9回、スポーツの話を取り上げてきました。フォローページの「おふろ場」と、メモがわりのサイト「大福帳」も入れるとさらに増えます。

個人的にスポーツの一番の面白さは、科学にあると思っています。ただし、そのスポーツ独自の科学をきちんと詳細に解説する、こういうことは専門家に任せるしかありません。

そこでふだん勝ち負けと親和性の低いパフォーマンスを観に行く目と耳で─特に耳から入ってくるものに注意してスポーツの試合を観たら、こんなふうに面白かった、という見方を紹介しました。中には、専門家から見て噴飯ものの間違いが混じってしまったおそれがあります。どうかお許しいただきたいです。

書き始める前には、資料に頼って過去に実証されていること(たとえばアスリートとダンサーの筋肉の話など)を説明しなおし、現在の状況を取材してまとめる方法をとろうかな、と考えた時期もありました。

この方がやり方としては無難です。のみならず、偉そうです。が、フレンチオープンテニスや、(後に)シンクロナイズドスイミングW杯など、トップアスリートが集う試合の現場に何度か居合わせたのに、その体験から離れ、すでに言われていることをなぞるように書くのは残念だなあと思い始めてから、記事の方向がゆっくり決まっていきました。

そのような経緯で「演劇の目で観たスポーツ」シリーズ(リンク先は6月分の、フレンチオープンテニス)と、シンクロナイズド・スイミング「芸術性ってなんですか 音楽と身体/イメージと身体」の記事ができました。…続く

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